夫婦

最初は私達もお互いを傷つけ合っていた


根底の価値観は一緒だけれども、表面上の価値観、能力の全く違う二人

だから自分の表面上の価値観や能力に、相手が合わせてくれることを願った



たとえて言うならば、

『二人とも富士山に登りたい』

これは共通で、これが根底の価値観


しかし、登山ルートが違う


一人は、

険しい道の方が自分が磨かれるような気がして、少し危険なルートを好んだ


そしてもう一人は、

確実に一歩一歩前に進める事こそが最善とし、安全なルートを好んだ



全く違う二人だけれど、お互いに

『夫婦は一緒のルートを登るべき』

と考え、相手をいかに自分の好むルートへ誘い込むか必死だった



そして一方は我慢し相手に合わせて進んではみたものの、

少しずつ心が離れていった


そして再度修復しようと、今度はもう一人の好むルートに二人で挑む



しかし、同じことが起こる




そんな日々を繰り返すうちに、二人は気づく


『”夫婦は一緒のルートを登るべき” 

これは果たして真実なのだろうか』




今までの経験で得たことを踏まえながら、

今度はお互いが少しずつ相手が大切にすることを大切にしてみた



自分が大切にしたい事ばかりに目を向けて相手を見ていなかった時の反省も生かしながら、

『自分を大切にすること』と『相手を大切にすること』とのバランスを取りながら




次第に、心地よい距離感が分かってきた



お互いにお互いが好むルートを登りながらも、

助けて欲しい時には声を掛け合い、かけつける




そして、

またお互いのルートを登り始める






『自分を大切にする』ことと『相手を大切にする』ことのバランスは、

たくさんのぶつかり合い、傷つけ合いがあったからこそ分かった


そして何よりも

『あなたと一緒にいたい』

『あなたを理解したい』


そんな気持ちがいつの時にも二人の心には存在した

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