妻への手紙

我が家は子供が二人。

それぞれ2年間の育児休暇を私が取った。

それでも夫は私を気遣って、仕事もしながら、家事育児を手伝ってくれた。

私はとても感謝した。

初めての育児、子供は手のかからない方だとは思うけど、当時の私は赤ん坊が「こんなに泣く」ということに衝撃を覚えた。

4回くらいしか経験をしなかったが、夜泣きは精神的に追い詰められた。

真夜中、自分もぐっすり寝ている時に突然赤ん坊が泣きだした。

眠いし体は重いし・・・それでも起き上がって抱っこをせざるを得ないくらい泣いていた。

しかし、夜泣きは昼間とは違い、抱っこをしても泣き止まなかった。

「なんで?!」

私の頭はパニックだった。

昼間でも泣かれることに少し恐怖を覚えていた時期。

"もうどうしたらいいの"

私も泣きそうだった。

しばらく抱いていても泣き止まない・・・

ふと頭をよぎったのが、

”ここで、この子を抱いている手を放したら、終わるのか・・・?”

はっとした。

そんなことを考えた自分が怖くなった。

”自分は母親失格だ・・・”

自分を嫌いになり、また涙が出そうになった。


そんな時に、明日も仕事の夫が起きてきて、

「大丈夫?泣いてるね。どうしたんだろうね。」

と、私と赤ん坊が寝ている部屋へ来てくれた。

夫は近くでごそごそされると起きてしまうくらい、眠りが浅い人なので、

子供が生まれてからは寝室を分けていた。


私はその優しい言葉で目が覚めた。

”夫は明日も仕事なのに、起きてきてくれた。私がしっかりしないと。”

そこで気持ちが切り替わった。


私は今でも忘れない。

あの日の夫への感謝。

協力してくれる事で結ばれていく、二人の絆。


経験した者にしか分からないことってたくさんある。

だから、経験した者は、次の経験者がもっと楽になれるよう、

することがある。

それを自分の経験だけで終わらせない為に。



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