今の時間の景色が一番綺麗だと思う。
真っ暗闇の中から、少しずつ明るさが出てくる、今の時間。
街並みもうっすら見え始め、しかし、まだ街の灯りはついたまま。
昼間と夜とが共存する時間。
そんな時間に、ふと考えた。
『無い、無い』と嘆いている事は楽な事なんだと。
かつての私がそうだった。
本人は苦しいと思っている。
しかし、“変わる”と決心してから、乗り越えきるまでは、比にならない程苦しい。
自ら火の中に飛び込んで行くのだから。
しかし、火の向こうには穏やかな日常が待っている。
その火に飛び込むには、勇気が必要だ。
『有る』ものを見付けて生きることは、自分に幸福感をもたらしてくれる。
『無い、無い』と言っていても、本当はそこに“有る”のに、見ないふりをする。
気付かない方が感傷に浸れるから。
気付いてしまっては駄目なのだ。
悲劇のヒロインになれなくなる。
自分が支配できる意識の中では、そうは思ってはいないだろうが、結局は自分がそう選択しているのだ。
『他力でこうなっている』と本人は思っているが、これは『自力なんだ』と気付いた時から、変化は始まるのだ。
悲劇のヒロインは、とても心地が良いものだ。色々受け止めなくてすむ。
『幸せになるには勇気がいる』
アドラーが言っていた言葉に実感を覚えた。
0コメント