「相手の立場になって考えなさい」この言葉の落とし穴

子供の頃からよく耳にしてきた言葉。

「相手の立場になって考えなさい。そのことがとても大切です。」


何処にでもあふれかえっているこの言葉。

私はこの言葉があまり好きではない。



人間には、2タイプある気がする。

①自分の内側→他者 へいく、『内側からタイプ』

②他者→自分の内側 へいく、『外側からタイプ』


『内側からタイプ』の特徴は、何か起こったら一番に”自分のせい”だと思うタイプ。

『外側からタイプ』は、”自分以外のせい”だと思うタイプ。

どちらのタイプかは、言動だけでは判断できない。

 『外側からタイプ』のような発言をしていても、自分を守るために必死に言っているだけで、実は『内側からタイプ』の場合もあるからだ。

『外側からタイプ』は、自分が悪いなんて、思いもしないのだ。だから平然としていられる。

どちらが良いか悪いかではなく、”今世で何を体験したいのか”によって、生まれた時から持っているもののように思う。幼少期の環境で、大小の差は多少はあると思うが。

そして両者ともに、未完成時期→完成時期へと体験を経て移動していき、

完成時期は、両者とも同じ場所へと辿り着く。

「各個人の違いを認め合い、共存して生きていく事。」


『内側からタイプ』の辿る道は、

a.”自分がいけないんだ・・・”

b.”自分は悪くないんじゃないか。いや、悪くないよ。”

↓ 

(自分の気持ちと、相手の気持ちを両方大切にできるようになる)

c.”どっちが悪いという判断をすることに意味がない”


『外側からタイプ』は上記のa,bが逆になる。



私は完全なる『内側からタイプ』である。

『内側からタイプ』の未完成時期の特徴として、

・自分に自信が持てない

・自分という人間の軸がない


この未完成時期に、

「相手の立場になって考えなさい。」

の言葉は最悪だ。


『内側からタイプ』は、自分の気持ちを大切にできない。

常に判断基準は『自分』ではなく『他者』なのだ。

すでに他者に心がいっている時に、「相手の立場に・・・」と言われたら、

何も言えない。たとえ言えたとしても、罪悪感しか残らない。

自分の心はずっと置き去りだ。


「相手の立場になって考える」

この言葉が必要なのは、『外側からタイプ』の未完成時期か、

『内側からタイプ』の完成時期の一歩手前時期だ。



私は未完成時期のa時期はすでに脱した。

今はbとcを行ったり来たり。

一度cへ行けても、長年の思考のくせは治らない。

bとcの時期の比率が変わっていく。

今まではbの方が多く、時々cだったのが、

今はcの方が多く、時々b。

というように。


「相手の立場になって考える」ことを最初から得意としてきたこのタイプは、

「相手の立場を気にしない」という訓練が必ず必要となる。

相手を気にせずに、自分の主張を出し続ける。

”相手の気持ちを気にする”思考ルートが元々あるから、これがなくなることはない。

分かっていながら、あえて無視をするのだ。知らないふりをするのだ。


そうやって出し続けた自分の主張によって、精神的に鍛え上げられる。

その精神力(=自分軸)を持って、「相手の立場になって考える」ということを

もう一度する。

そうした時に、自分の中で持つ、”自分の気持ち”と”相手の気持ち”のベストな割合を、何度も失敗しながら見つけていく。

自分の気持ち:相手の気持ち=10:90

自分の気持ち:相手の気持ち=90:10

どちらでもいいのだ。

その割合は一人一人違う。


今の私が「相手の立場になって考えなさい」の言葉に嫌な気持ちになるという事は、

まだ自分の中で掴みきれていない状態だからだろう。

この言葉を聞くと、

”相手の立場なんて考えたくないー!”

と叫んでいる心がいる。

まだまだ未完成時期な自分。

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