息子の目が、最近曇ってきた
そしてポツリ
「俺がやりたいこと、違ったのかも・・・俺がやりたいことは、こっちかも・・・」
ここ最近、
何かから逃げてる感じが伝わってきていた息子
これか・・・
目指したい、行きたい場所ができた当初は、
ルンルン、ランランでチャレンジしていける
なぜなら最初は平たんな道が多いから
しかし、だんだんと道のりがうっすら見え始めた頃、
とてつもなく大きな山が前方に立ちはだかっているのを目にする
この大きさの山を越えないと、辿り着けないのか・・・
そこで足がすくみ、歩が止まる
そんな時に、ふと頭をよぎる
“あっ、自分が行きたい場所はこの山じゃなかった!向こうの丘だった!”
私は彼に、何が起きたのかは聞かなかった
代わりに、こう伝えた
「本気で行きたい方向が違ったというなら、それでもいい。しかしあなたが今、行きたいと思っていた方向に大きな壁のような山を見つけ、足がすくみ、「自分には無理だ」と感じた自分がいたとしたならば、そこから逃げるのはやめた方がいい。方向を変えて丘を目指したところで、丘の向こうには必ず壁のような山が待っているのだから。」
彼の目からは涙がこぼれ落ちた
どこにも逃げられない・・・
しんどいだろう、
苦しいだろう
その『涙』が意味する苦しみの深さは
身に覚えがある
私は彼の傍へ行き背中をさすりながら、
言葉に自分の魂を込め、彼に渡した
「きみは物事をしっかりと深く考えるタイプの人間だ。だからすぐに答えを求められることは苦手だよね。だからテストも時間が足りなくて点数が取れない。
私も同じタイプだが、このタイプは物事の本質に辿り着ける可能性を大いに秘めている。だから『自分が本当に行きたい場所(やりたいこと)』を見つけやすい。
しかし、思考が深い分、苦しみも深い。
先を見すぎてはダメだよ。とてつもなく大きな山に圧倒され、自分の無力さに心が折れてしまうから。
「いつかは行けるかも」
そんな程度にしておいて、山を見るのは止めよう。まずは目の前の一歩に集中するんだ。
そして、こうして疲れた時には考えることをやめて、ゆっくり羽を休める。
また力が溜まれば飛び立てるから。
今は心が押しつぶされそうなくらい苦しくても、あなたは必ず乗り越えられる。
私は知ってるよ。
自分を信じることを止めないで。
きみはやれるから。」
泣き疲れてしばらくの間、彼は眠ってしまったが、
起きた時の彼の目には、また力強さが戻っていた
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